ブルセラ

1990年代に日本で社会現象となった、「女子中高生の使用済みの下着・制服・体操着などを販売する」という行為を指します。

「ブルセラショップ」という専門の店も点在しており、現代には実店舗こそ少ないですが、インターネット上にはオンラインでのブルセラショップも存在していることが確認できます。若い女性の顔写真、3サイズ、本人のプロフィールや性嗜好などが記載しており、まるで女性自身が商品になっているようにすら見えます。

社会現象になったのは30年以上前の話にはなりますが、令和になった現代にも蔓延しています。TwitterなどのSNS、掲示板などで中古の下着の取引が行われているようです。

Twitterで「#下着販売」というハッシュタグを検索すると、女性ものの下着の写真がずらりと並んでいるのが確認できます。

彼女たちは手慣れているようで、可愛らしい画像の上に可愛らしいフォントの文字で

「パンティー……3,000円 上下セット……4,000円」など、料金表が下着の画像と共に記載されているのです。

その下着とともに、「自らの着用画像」「自慰行為を撮影した画像、動画」なども同時に販売しているケースも多く存在しています。そして、「直接会う約束をして脱いだばかりの下着を手渡しする」という販売方法もあることが調査でわかりました。

顔を隠していたとしても、知り合いなら髪型、部屋などの背景、声などで身分がバレてしまう可能性も考えられますし、画像や映像をインターネットにばらまかれるリスクも当然存在します。

そして、直接手渡しするなどの行為は、性犯罪に巻き込まれるリスクも非常に高く、危険な行為です。盗撮もありえますし、帰宅時に付きまとわれ、そのまま力づくで……などのリスクも考えうるでしょう。そして下着の販売がバレる事を恐れ、警察に助けを求めることができない人もいるかもしれません。

下着の販売は一応法律には違反しないケースが多いようです。18歳未満だと『青少年保護育成条例』に抵触する場合もありますが、それ以上であれば法で取り締まることはできないようです。ショップを立ち上げる場合は古物商と、風俗関連産業の権利を取得する必要がありますが、インターネットで個人が販売する場合は件数が多すぎて取り締まり切れていないのが現状でしょう。『無店舗型性風俗特殊営業届出』が必要なようです。

税金関係や確定申告をしておらず、問題になったケースはありますが、ブルセラという行為自体を取り締まる法律は現在存在していないようですね。

そして、コロナウィルスが蔓延した、いわゆる「コロナ渦」になってからは、マスクを販売する女性も増えたようです。

付着した口紅、ファンデーションなどが付加価値となり、マスクという簡単に、下着よりも安く手に入る、本来一日でゴミになってしまうものは恰好の的になってしまったようです。

その他にも、わざと体液や排泄物を付着させたり、月経時の使用済みの生理用ナプキンを販売する若い女性も多く存在しているようです。

Burusera

なぜ若い女性はこのようにいわゆる「ブルセラ」に手を染めてしまうのでしょうか?

結論は簡単です。お金が欲しく、そして、買う人がたくさん居るので儲けることが容易いからです。

TikTokやInstagramの普及で、中学生でも高級ブランドの化粧品を使用しているユーザーが毎日のように目につき、憧れを抱きます。高校生にもなれば、高級ブランドのバッグ、財布などを身に着けているユーザーなども本当に存在するのです。当然自分も高級ブランドのバッグ、財布が欲しいと思うティーンエイジャーが出てくるでしょう。

普通のアルバイトでは、高校生は大抵保険の扶養内で働くことが多く、学校に行っているので一ヶ月働いて10万円も稼ぐことができません。中学生のアルバイトは法律上、原則できないので、自力で稼ぐには自身を売るしか方法はありません。

かと言って2017年ごろから蔓延している「パパ活」は容姿の美しさと、高いコミュニケーション能力を求められます。「援助交際」「売春」のように、父親くらいの異性に金をもらい、性行為をすることにも大抵の人には抵抗が強いものです。密室に連れ込まれてしまえば、体格差、力の差も大きくありますし、避妊をしてもらえないかもしれません。お金をきちんと貰えるかも不安でしょうし、暴力をふるわれるリスクだってあります。

その点「ブルセラ」は、今のインターネットが普及した時代に、お金を稼ぐにはピッタリで、顧客のオーダーメイドに応えられる(何日履く、などのオプションを付加することができる)、身元の安全がほぼ確実に確保できる。フリマアプリ、送金アプリなどを使えば、入金時に銀行などの支店を隠すことができる。フリマアプリの匿名配送を使用すれば、住所や本名を隠して発送、受け取りができて、買う側も安心ができます。

社会の形態に相性がよく、そしてニーズが合致し、このように現代に「ブルセラ」は根付いてしまったのです。